出産の際には骨盤をつなぎとめている恥骨結合がホルモンの働きで緩みます。
この時ばかりは、
普段動かない骨盤も動くようになります。
人間は2足歩行をするために骨盤を発達させた結果、
大きく頑丈になった骨盤は出産を困難にしてしまいました。
ですから、出産時には骨盤の結合をゆるめ、
赤ちゃんの通る道を広くするのです。
この、
緩んでしまった骨盤が産後太りの原因・・・
というわけではありません!
妊娠中は、お腹の子供に栄養を送るだけではなく、
出産という大仕事に備えて母体はエネルギーを蓄えようとします。
妊娠前よりも母体の体重が増えるのは当然の事といえます。
でも出産が終わったのに、体形がなかなか元に戻らないという話も聞きますよね。
やっぱり骨盤が開いているから・・・?と不安になって骨盤矯正に興味を持った人も多いはずです。
でも
安心してください。
産後の体形はちゃんと元に戻ります。
その理由を説明していきましょう。
*体形が戻るのには、時間がかかる。
赤ちゃんが入っていた子宮というお部屋は、
妊娠前は拳くらいの大きさです。
それが10か月の妊娠期間に、赤ちゃんの成長と共に徐々に大きくなっていきます。
赤ちゃんが生まれた直後の子宮はまだ大きいままですから、
下腹部はまだ出っ張ったままです。
これが産後に体形が崩れた・・・と感じる原因です。
子宮は筋肉で出来た袋のようなものですから、
赤ちゃんが外に出てしまえば、ゆっくりと元の大きさに戻っていきます。
ゴム風船から空気が抜けるように瞬時に戻るわけではないので、時間がかかるのです。
同じように、
赤ちゃんを入れていたお腹の筋肉(腹筋)も伸ばされて、
内蔵を押さえつける力が弱くなっています。
大きくなった子宮をはじめ、腸などの内臓を支えきれなくなっているので、
お腹が出っ張る原因になります。
そして、皆さんが心配される「骨盤のゆるみ」。
これも自然に元に戻ります。
出産が終わると恥骨結合を緩めるホルモンの分泌は止まりますから、
時間とともに結合は強まり、骨盤のゆるみは無くなっていきます。
これらの状態が自然と元の状態に戻ってゆくまで、
おおよそ半年間はかかるといわれています。
10か月をかけて徐々に変わった体を、
6か月をかけて徐々に元の状態に戻していくのです。
『いつから骨盤矯正を始めたらいいの?』
『早めに骨盤矯正をしないと、骨盤が開いたままになってしまうのでは?』
体形を早く元に戻したいと焦る気持ちはわかりますが、まずは体の準備が出来るまでは安静を保ちましょう。
*出産後には、消費カロリーが増える。
妊娠中は赤ちゃんに栄養をあげるため、
食欲が増す人が多いです。
そして、出産後も母乳を作るために多くのカロリーを必要とします。
要は、お腹がすいちゃってたくさん食べたくなるんです。
加えて、
妊娠中は体重が増えるので、運動量が減ります。
そうすると筋肉が弱くなっていきます。
弱くなった筋肉は代謝が落ちますので、
太りやすい状態になります。
特に運動量が落ちるのが下半身の筋肉なので、
下半身太りの原因になります。
ですが、
母乳を出すのはすごくカロリーを消費しますし、
育児などで運動量が増えていけば消費カロリーも増え、筋肉も元に戻っていきます。
つまり、
赤ちゃんのお世話をしているうちに、
自然と体形が元に戻るようになっているのです。
赤ちゃんに感謝ですね。
赤ちゃんがおっぱいを吸うと、母乳を出すホルモンが分泌されます。
出が悪い・吸い付きが悪いなどで おっぱいを吸わせないでいると、
だんだんと母乳が出にくくなってきます。
母乳を出していないのに食べる量が変わらないと、カロリー過剰になって体重は落ちません。むしろ増えます。
では次に、産後ダイエットと骨盤矯正の関係を見ていきましょう。
産後の骨盤矯正② に続く