骨盤矯正に効果的な運動①

骨盤矯正に効果的な運動をご紹介する前に、骨盤に関わりの深い筋肉を知りましょう。


骨盤のゆがみを矯正するのに重要な筋肉は、主に2つあります。
まずは


大腰筋(だいようきん)

この筋肉は、腰の骨(腰椎)から骨盤を通り、股関節の内側に向かう筋肉です。
この筋肉が弱くなると、下っ腹が出る、お尻が垂れる、猫背になる、などの姿勢不良を生み出します。
それだけではありません。大腰筋の衰えは、慢性腰痛、生理痛の悪化、便秘症なども引き起こします。
また、大腰筋は膝を上にあげて足を前に出す働きをします。
大腰筋の働きは、美しい姿勢や骨盤を整えるだけではありません。
大腰筋がうまく働かなくなると、少しの段差でつまづいたり、とっさの瞬間に足を出せなくなって、転倒する恐れがあるのです。

我々は日常生活において、あまり大腰筋を多く使いません。
大腰筋が衰えやすい生活習慣をしていないか、チェックしてみましょう。
  • 階段よりもエレベーターやエスカレーターを使う。
  • 車移動が多い。
  • 週に2回以上の運動の習慣が無い。
  • 高いヒールを好んではく。
  • サンダルなど、かかとの無いはき物をはく。
  • 靴底が、かかとの部分だけすり減る。
  • デスクワークが多い。

これらの中で、当てはまる項目が多いほど あなたの大腰筋は衰えている危険があります。
大腰筋が衰えているという事は、骨盤が歪んでいるという事です。


そして、


太ももの内転筋群

詳しくは、長内転筋、短内転筋、大内転筋、恥骨筋、薄筋、に分かれますが、これらは同じような働きをするので、「内転筋群」としてまとめてお話をします。

内転筋群は、骨盤から始まり、大腿骨(ふとももの骨)に向かう筋肉です。
主な働きは、立っている時や座っている時に両膝をくっつける動き、つまり「足を閉じる」ための筋肉です。

じつはこの内転筋群、足を閉じるだけじゃなく、美容や健康にも深い関わりがあります。
内転筋群は膝を内側から支える筋肉なので、これが衰えると、O脚や がに股の原因になります。

骨盤矯正とO脚・X脚 でも、膝と太ももの筋肉の重要性はお話しましたね。
O脚は骨盤にたいしても悪影響を与えます。
O脚や がに股になると、大腿骨の起点となる股関節が開き、結果、骨盤も開いてしまうのです。

また、内転筋群の衰えは膝の痛みも引き起こします。
内転筋群が弱まり、膝を支える力が弱まると、膝の軟骨がすり減り、骨が変形してしまう「変形性膝関節症」という症状になります。
一般的には高齢者に多い症状ではありますが、40代50代にもみられる症状です。
若くして変形性膝関節症になる原因として、膝周辺の筋肉の衰え、そして生活習慣が挙げられます。
変形性膝関節症ですり減った軟骨や変形した骨は、元の状態には戻りません。
内転筋群を鍛える事は、見た目の美しさだけでなく、健康を維持するためにもとても大切な事なのです。



これらの骨盤に関係する筋肉は、「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉です。
インナーマッスルは姿勢を保ったり、関節を固定し引き締める役割があります。
つまり、姿勢を改善し、骨盤や股関節を引き締めるためには、インナーマッスルの働きが必要不可欠なのです。

では、インナーマッスルを鍛えるにはどうしたらいいのでしょうか?
インナーマッスルを動かすには、軽い負荷で、ゆっくりとした運動をする必要があります。
重い負荷で早い運動をすると、「アウターマッスル」が主に働いてしまうからです。

骨盤を矯正するのに、激しい運動をする必要はありません。
ハァハァ言いながら長距離を走ったり、歯を食いしばりながらウェイトトレーニングをしなくてもいいのです。
むしろ、骨盤に関連するインナーマッスルを鍛えるには、体に負担をかけない緩やかな運動が向いています。

次は、具体的に運動の内容についてお話します。