骨盤矯正とO脚・X脚

骨盤矯正を希望される方の中には、
O脚・X脚で悩んでいる人も多くいらっしゃいます。

特に女性はスカートなどを履くので、
脚のラインにはとても気を使っていることでしょう。



ちなみに、両足をそろえて立った場合、
両方の内くるぶしは着くが、両膝の内側が着かないのが『O脚』
両膝の内側は着くが、両方の内くるぶしが着かないのが『X脚』
といいます。



O脚・X脚の原因は、
大きく分けて2つあります。

1.病的なもの
膝の靭帯の損傷や異常、骨の病気、ケガの後遺症などです。
片側だけに変形がある場合は、病的なものが疑われます。
変形が強い場合は手術が必要になります。

2.生理的なもの
膝の構造や機能に問題はありません。
本来もっている骨の形によるものです。
日常生活において、関節の痛みや動きの制限はありません。
治療や矯正は必要が無く、特に問題が無いものです。



O脚・X脚を気にする方のほとんどは、
2の生理的なものに該当します。

つまり
治療の必要はない状態だが、
見た目の美しさを改善したい!
という要望です。



生理的なO脚・X脚に関しては、
多くの病院では積極的な治療は行いません。
なぜなら、それはごく自然な状態で、治す必要が無いからです。


しかし
ちゃんと改善する方法はあります。


生理的なO脚・X脚の原因の多くは、
股関節から膝にかけての
筋力低下やアンバランスです。

骨盤の歪みとは?①  でも言いましたが、
筋力低下は骨盤の傾きの原因にもなっていましたね。

膝の関節は、股関節~太ももの筋肉に囲まれることでサポートされ、
姿勢の保持が可能になっています。

この筋肉が弱くなったり、
内外でのアンバランスが生じたりすると、
O脚・X脚が助長されます。


つまり
お尻から太ももの筋肉を
バランスよく動かし鍛えることが、
O脚・X脚の改善に効果的なのです。



運動は、
体に負担が少なく、全身運動になり、長く続けられるものがお勧めです。

例えば、ウォーキング、水泳、ヨガ、ラジオ体操、などでしょうか。
スポーツジムで指導を受けるのも良いでしょう。

数多くの運動がありますから限定はしませんが、
無理なく続けられるということが大切です。



ただ一つ気を付けてほしいのは、

整体院での数回の矯正や
市販のサポーターなどでは
O脚・X脚は治らない!

ということです。


矯正後に膝がまっすぐになった気がするのは、
一時的な姿勢改善と股関節の向きによって そうみせているのです。
矯正が終わって家まで歩いて帰る途中で元の状態に戻ります。


整形外科において、
膝に専用の装具をはめて矯正するという方法もありますが、
これは効果が期待できるか意見が分かれています。

ましてや、市販のサポーターで改善する可能性はもっと低いでしょう。

注意していただきたいのが、
膝をつよく締め付けるようにバンドを巻いたり、
痛みを我慢しながら力を加えるような施術は
絶対にやめてください。

膝や股関節の靭帯や軟骨を損傷してしまう恐れもあります。



骨盤矯正でダイエット と同じことですが、
短期間で楽しても望む結果は手に入りません。
継続した努力が必要なのです。




ここまで、運動をして筋肉を鍛えることが一番効果的だと言いました。
しかし、筋肉のサポートによって膝の角度は多少改善されますが、
あなたの元々の骨の形(骨格)が変わるわけではありません。

鼻の高さや体毛の濃さに個人差があるように、
膝の骨の形も人それぞれなのです。

それを受け止めずに理想の形を追い求めれば、
最終的には美容整形による手術しかありません。

あなたのO脚・X脚が生理的なものである場合、
それは異常ではなく、自然な形だということを忘れないでください。



最後に一つ。

運動によって膝周りの筋肉を鍛えることには、
O脚・X脚改善の他にも利点があります。

若いころの努力で丈夫になった骨や筋肉は、
あなたの体の貯金であり財産になります。

ため込んだ財産は、
高齢になってからの体の衰えを緩やかにし、
O脚変形や膝痛などの症状の予防になるのです。

年を取って変形や膝痛が現れてからでは、
衰えた筋肉や骨は簡単にはもとに戻りません。

O脚・X脚の為だけではなく、
未来への体づくりという意味でも、
日ごろの運動はとても大切です。